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米国西部店舗視察研修
1981.1.22〜2.5
 出雲発サンフランシスコ着で、米国西部店舗視察研修のスタートが切られた。
今回の視察目的の米国の小売業の歴史は、1880年代あたりから、現在のスーパーマーケットや、バラエティストアの創業が始まり、1930年頃は食品小売業と雑貨小売業の発展は大きく、大手といわれるスーパーマーケット、バラエティストアは、約27,000店もあった。  1935年から1940年代には、スーパーマーケット業の成功に刺激されて、大手チェーンが続々とスーパーマーケットに切替えてきた。
 今日のアメリカの小売業の総数は約176万店(87.5%)、大型チェーンとして、100店舗以上を持つ、チェーンストアに属する店舗は、約8万店(全体の約5%)あり、全米小売業の2割を売っているのが現状である。


【ショッピングセンターの種類と基本的な形】
1.≪ネイバフット型1≫
 核店舗がスーパーマーケット(1店)+専門店が道路と並行して並び、専門店はアーケードでつなぎ商圏及び立地は、車で10分、住宅地の近くに建設。

2.≪ネイバフット型2≫
 核店舗がスーパーマーケット(1店)+ドラッグストア又は、ハードウェアショップが両サイドにあり専門店が並び、車で10分から20分以内の立地。

3.≪リージョナル型≫
 核店舗が百貨店(1店)+ゼネラルマーチャンダイジングストア(1店)が両サイド、専門店は通路に2列に並ぶ、30分内のハイウェイの近くに建設。

4.≪スーパーリージョナル型≫
 核店舗が百貨店(2店)+ゼネラルマーチャンダイジングストア(2〜3店)+大型専門店(1〜2店)が十字型に建ち、専門店が両側に並ぶ、スケートリンク、映画館等の施設があり、車で30分内のハイウェイの近くに建設。


まず最初に見学に行ったのは、フォスターシティーの
≪セーフ・ウェイ≫
    新興住宅地内にある、SMセーフ・ウェイは、店舗1,190店、売場740坪。SM+専門店(酒屋・理髪店・薬局・クリーニング・植木・美容院)で、日本にあるスタイルのSMで、建物の正面は57m・奥行42m、チェックアウトは12台。
 店内(SM)と専門店をつなぐ通路の壁面にパブリックスペース、コミュニティーボードが3×4mの2面あり、ボードいっぱいにハガキ大のカードが貼り付けてあり、掲示内容は各種催物の案内から、家庭教師、テニスの同好会、各種サークの会員募集などで、お客に店舗の一部を開放することによって、コミュニケーションをはかっていた。
■このセーフ・ウェイで唯一目についたシステムは、帰国後、地元SC、コミュニティーボード・カードシステムを取入れさせて頂いた。

次に行ったのが、ポートローヤルの
≪モデルハウス展示場≫
    ここは新興住宅地のモデルハウスで、スペースを有効に生かしたレイアウト、無駄のない間取りと通路で、客室、各コーナーには小さな家具が配置、子供部屋1(机・2段ベッド)子供部屋2・客室(シングルベッド)夫婦寝室(Wベッド)の部屋、別にマスタールーム(作業場・机・本棚)があり、トイレ・浴室は、夫婦と子供・お客用は別々(2箇所)にあり、キッチンはコの字型カウンター、応接も隣接し、それとは別にベランダ越しに外が見える応接(テーブル・椅子・4却)があった。
 米国人の暮らしに対する、家というものの考え方が合理性、快適性を重視し、基本的に食べる(キッチン)、寝る(寝室)、憩う(応接室)の3本柱で考えられ無駄がなく、家族のプライベートに対する配慮がなされていることが感じられた。

≪チャーター・スクエア≫
   フォスターシティーのチャータースクエアの核店舗は、日本のイトーヨーカドーと業務提携をし、日本に200店舗を持つ、コンビニエンスストアーの、セブンイレブンで、1975年型セブンイレブンの店舗基本レイアウトを生かした店舗で、ここのSCの特徴は、各店舗は全て木造平屋建てで、各店舗看板も全て木彫りで、店舗は一戸建ち並びに平屋建てで、店舗は、各売場(一店舗)には、従業員が1人位で、店舗レイアウトも直線的で、業種は日用雑貨、植木、ファンシーがメインで、他に貴金属、美容院、クリーニング、食料品など、あまり高級志向でなく、形態はコミュニティー型のオープンモール型で、名前の通りの、市街の正方形の広場という感じであった。


≪セブン・イレブンについて≫
    セブンイレブンは単独店舗の場合は、200から400世帯単位にあり、住宅地では400から500mおきにあり、退職者夫婦が10万ドル(2000万円)補償金を積んで経営をし、家族的サービスで営業をしている。 営業時間は午前7時〜午後11時迄。


≪セラモンテ・ショッピングセンター≫
    ここの核店舗は、マービン(衣料品)、K-マート(ディスカウントストアー)、ベスト(カタログ販売)の3店で、店名看板は全て、チャンネル文字で、大半が電飾とネオン管で作られており、店内の消明、通路の照明は落としてあった。
 カタログ販売のベストは、25%展示場75%倉庫という造りだった。
商圏はサンノゼ、オークランドで、400から500万人ということで駐車場も多く、お客の年代層、階級、人種もさまざまであった。買い物カートも、お客が各々、出口、駐車場に放置でき、買い物カート回収専用従業員が何人もいるのも目についた。サンノゼは、人口60万人、人口増加率年間3%で、1980年全米NO.1になっている。


≪家具工場レビッツ≫
 レビッツは、フリーウェイのすぐ横にあり、工場はネイバフット型ショッピングセンターと同じ位の大きさで、駐車場も豊富にある2階建(1F倉庫・2F展示場)大型家具工場で、展示場には、セットされたベッドルーム、応接室などが何百組展示されており、広さも日本にはないスペースで、展示家具に合わせた装飾品(中国製品など)が多数陳列してあった。
 バーゲン商品から、高級商品まで、明確なプライスカードが全品に付けられており、お客に一目で分かるように配慮されていた。1階の倉庫には応接セットが、7段もある棚に何列にも積み上げられており、商品の豊富さが感じられた。入口には売店もあり、お客様サービスも考えられてあった。


≪シアーズローバックについて≫
    シアーズローローバックは、全米小売業売上NO.1の会社で、シカゴに本社を持つ、GMS・ゼネラルマーチャンダイズストアで、カタログ販売というのが大きな特徴で、電話帳サイズのカタログをシーズン毎に発行し、カタログには実用商品が満載されており、無い物が無いと言われるほどで、2ドル(400円)で販売、このカタログは日本でも販売されており、ベストセラーでもある。
 シアーズの特徴は、顧客リストは、全てコンピュータに記録されており、家族構成から、家族の身長のサイズまでのデーターを持っている。一度通信販売で商品を買った顧客には、カタログを毎回無料で送付するのも特徴である。


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