本当の痛みの原因は!           2011年10月31日

 日々の臨床から、私は痛みの原因は、筋肉の硬直やシコリによるものがほとんどだと感じていました。実際に筋肉の硬直している部分やシコリをさがして、これを緩める施術をすることで、痛みが軽減して行き、全部緩むと、痛みはなくなっていくからです。ネットで、調べ物をしていますと、痛みの原因に関して、私の考えと同じ考え方をしておられる、ある病院の先生のサイトに行きあたりました。下記はそのサイトを参考にさせていただき、まとめたものです。


本当の痛みの原因は!

 
科学的に証明されている事実


 
(参考文献 石川県小松市 加茂整形外科医院加茂 淳医師のサイトより)


さて痛みは何が起こすのか、これには身体(生物的)の問題と、こころ(心理的、社会的)の問題の両方が絡み合っています。

 

身体の問題では「トリガーポイント」と呼ばれる筋膜などに出来るしこりが原因です。いわゆる「筋痛」という事です。

 

そして私たちの痛みの95%はこの筋痛で、残りの5%は「骨折」「ガン」「感染症」などによる痛みです。

 

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症あるいは腰椎すべり症や分離症など脊椎の構造異常が腰痛の原因であるといわれてきました。「神経が押さえられると痛い」「背骨の老化や変形で痛い」という考え方です。しかしこの考え方は間違っている場合が多いようです。

 

「神経が押さえられると痛い」の代表的なものとして椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症があります。痛みの生理学で神経が圧迫されると痛みやしびれが生じるという根拠は示されていません。また健常者(全く痛みのない人)にもヘルニアや脊柱管狭窄がよくみられることが分かってきました。すべり症や分離症も同様に健常者にもみられます。その反対に痛みがあっても特に構造異常がないこともあります。

 

CTMRIで「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」「すべり症」「軟骨のすり減り」が見つかったからと言って、もしかするとそれは症状とは直接的な関係はないかも知れないのです。

それを示しているのが下記のグラフです。これは1995年に国際腰痛学会で発表された論文ですが、腰に痛みを感じていない無症状の人を調べた研究です。痛みがない人でもヘルニアは76%の人に見つかり、椎間板の変性は、何と85%の人に見つかったのです。



このグラフを見られた方は、腰痛で医療機関を受診し、「椎間板ヘルニアが見つかりました。」と言われても、それが本当に原因なのかはかなり疑問だと言わざるを得ないと感じられたと思います


画像検査(レントゲン、MRICT)は、痛みを伴うことのある特異的な病理所見を示す疾患、すなわち、悪性腫瘍、感染症、骨折などのあきらかな損傷、リウマチ関係の炎症性疾患の有無を調べるものであってそれ以上の意味があるものではありません。

 

ヘルニアや脊柱管狭窄は痛みの原因ではなく結果とみるほうが理屈にあいます。つまり筋肉のこわばり短縮の結果なのです。筋肉の短縮はO脚変形や前方へ突き出た丸まった肩などをきたし、それが軟骨や椎間板の変性をおこす要因の一つとなっているのです。

 

筋肉は意外と繊細で、転倒など身構えることができないケガ、度を超えたトレーニングや労働など繰り返えされる動作、あるいは悪い姿勢を続けることによって筋肉に微小損傷が生じます。すると筋肉が収縮します。運動会の翌日に体中が痛むことを経験したことがあると思いますが、これを遅発性筋痛といいます。

 

筋肉が収縮しても数日で治ることが多いのですが、休息がとれなかったり心理的ストレスが大きかったり寒冷にさらされたりすると血液の流れの悪い状態が続いて筋肉の収縮が元に戻らなくなってしまいます。

 

慢性化すると筋肉は硬く結節を作り、短縮します。そのために骨格に変形(歪み)が生じることがあります。また、いつも痛む部分を過剰に意識することで、感覚が過敏になり、注意集中、習慣化が生じます。この状態を慢性痛といいます。

 

このようにして出来た硬いしこりのある筋肉を私は「ワケあり筋」と呼んでいます。生活暦が長くなると誰でも一つや二つの「ワケあり筋」を持つようになるものです。「ワケあり筋」が必ずしも人を苦しめるわけではありませんが、心理的ストレス、物理的ストレス、疲労、寒冷などが引き金となってワケあり筋が騒ぎ出すことがあるのです。

 

ワケあり筋のなかには硬いしこりがあります。このしこりを押すと痛みを感じます。なかにはほかの部位に痛みが放散するものがありますが、この放散痛を関連痛といいます。関連痛が生じる圧痛点を「トリガーポイント」といいます。

トリガーポイントは痛覚過敏になっていて動作痛の原因になっているのです。重症となると安静時にも痛みを感じます。このような病態を「筋筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome)以下MPSと呼んでいます。

MPS
1980年代にアメリカで『Travell & Simons’ Myofascial Pain and Dysfunction: The Trigger Point Manual (筋筋膜性疼痛と機能障害: トリガーポイントマニュアル)』(Janet G. Travell 医師とDavid G.Simons医師の共著)という医学書にて発表されました。

MPS
はあらゆる部位の痛みの原因となります。腰痛をはじめとする筋骨格系の痛みのほとんどはMPSからきています。
悪性腫瘍、感染症などの特異的疾患、幻肢痛などの神経障害性疼痛はMPSではありません。

顎関節症、緊張型頭痛、頸部椎間板症、変形性頚椎症、肩関節周囲炎(五十肩)、腱板損傷、テニス肘、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、腰椎すべり症、肋間神経痛、手根管症候群の一部、腱鞘炎、変形性股関節症、変形性膝関節症、半月板損傷、シンスプリントなども痛みやしびれそのものはMPSです。

筋や筋膜などに生じるシコリ(トリガーポイント)が痛みをはじめとする、さまざまな症状を引き起こしています。


筋膜や腱などにできた「シコリ(トリガーポイント)」が痛みの原因で、トリガーポイントの「トリガー」というのは、「弾きがね」と言う意味です。そのシコリを押すとそれが引き金となって、その場所だけでなく別の場所でも痛みを感じさせる事があるので、そう呼ばれています。


MPSについて教育を受けていない医学部生は、卒業後もその存在を知ることなく診療を行うため、現実には多数存在しているMPSの患者たちを前にしながら、正しい診断、治療が行えないのである。膝の痛みが軟骨の磨耗であるとなれば、最終的には人工関節置換術のような手術療法が行われ、二度と正座ができなくなるし、耐用年数を超えれば再手術が必要になる。腰下肢痛が神経根の炎症であるとなれば、治療には神経根ブロックが繰り返し行われるか、手術療法が行われる。しかし、このような身体的代償の大きい治療が行われる一方で、疼痛の改善という目的は達成されない場合も多い。そもそも医師の処置が正しいのかどうかを論ずる前に、多くの医療者のなかに慢性痛や筋肉に関する概念がほとんどないというのは悲しい現実である。

骨に異常がなければ、(なんとなく)リハビリをすることや、痛み止めと湿布で様子をみましょうといった、お決まりの処置を続けることでは、この放置期間中にも慢性痛は悪循環路線を進み、どんどんと悪化の一途をたどっていくこととなる。そして、「治らない」と訴える患者に、最後の砦とでも言うべき(何でもかんでも)「心因性疾痛」の診断を下され、心療内科に行ってみたりするが、いつまでたっても慢性痛患者は救われず、その数は増えていく一方である。


痛みのメカニズムを理解して、自らの身を守り、また大きな経済的負担を受けないようにして、痛み治療の難民にならないようにしてください。


 (参考文献 石川県小松市 加茂整形外科医院加茂 淳医師のサイトより)

上記のことをサジェスチョンして下さる医師と私も同じ考えです。要は、この硬直した筋肉やシコリが緩まない限り、快方へは向かうことはないんです。この硬直した筋肉やシコリが緩むことで、痛みは軽減し、完治へと向かって行きます。私もこの観点から、日々、施術に当たっています。いろいろな所へ行かれて、痛みが軽減しない、取れないといった方。手術をしようか悩んでおられる方、実際に手術をされて、術後の経過が良くない方も、一度、当院の施術を受けてみてください。


 

不定愁訴とトリガーポイント

 

私たちの身体にさまざまな不調があり、医療機関を受診しても、これと言った異常が見つからない時につけられるのが「不定愁訴」です。下記は不定愁訴と言われる症状の一例です。

 

全身の症状

疲れやすい、だるい、めまい、立ちくらみ、微熱、不眠、食欲がないなど

頭痛、頭が重いなど

目が疲れる、開かない、ドライアイ、涙目など

耳鳴り、耳詰まり感など

口が渇く、味覚の異常、舌の痛みなど

のど

イガイガする、詰まり感、異物感など

呼吸器

息苦しい、息切れするなど

心臓・血管

胸の痛み、苦しい、動悸、血圧の変動など

消化器

吐き気、便秘、下痢、膨満感、ガスが溜まるなど

皮膚

痒み、乾燥、多汗、汗が出にくい、冷や汗など

筋肉・関節

首や肩が凝る、関節の痛み、だるさ、力が入りにくいなど

手足

しびれ感、痛み、冷え、ほてりなど

泌尿器

頻尿、残尿感、尿が出にくいなど

生殖器

痒み、ED、生理痛、生理不順など

精神症状

イライラする、気が滅入る、集中力がない、やる気が出ない、不安感があるなど

 

これらの愁訴は、実はトリガーポイントが起こすさまざまな症状に合致していますので、トリガーポイントへの治療によって、改善するものが多くあります。筋筋膜性疼痛症候群(MPS)が理解されていなかった為、痛みやしびれ感などの症状はもちろんの事、これらの不定愁訴もトリガーポイントが起こしている事への理解がなく、これまで多くの方がこれらの症状で悩み続けてきています。



あなたの痛みの場所はこんなところではありませんか?

 これらのイラストは、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、脊柱管狭窄症などの名前(病名)を付けられますが下図に示すように筋肉、筋膜などにできるシコリが痛みの引き金になります。

 これらの引き金を「トリガーポイント」といい、これらのわけあり筋をほぐして緩めることで、図に示す赤い部分の痛み[関連痛]は解消します。


大腿裏面の痛み、攣り、張り、しびれ

大腿後面筋肉群のトリガーポイント


臀部の痛み、張り、攣り、シビレ、動作痛

梨状筋のトリガーポイント

臀部下部の痛み、尾骨痛、お尻内側痛


 大臀筋のトリガーポイント

太腿外側の痛み、攣り、シビレ、臀筋の圧痛、脛の痛み、シビレ
小殿筋のトリガーポイント

腰、脚の付け根、お腹、お尻痛、動作痛


腰方形筋のトリガーポイント

ひざの痛み、うち腿の痛み、鼠径部の圧痛

大腿部前面筋群のトリガーポイント


頭痛、前頭部痛、耳鳴り、側頭部の痛み、めまい




胸鎖乳突筋のトリガーポイント


頭痛、頭重感、側頭部痛


後頭下筋のトリガーポイント

首の痛み、側頭部痛、頭痛


僧帽筋のトリガーポイント


耳鳴り


咬筋のトリガーポイント


後頭下筋のトリガーポイント

頚半棘筋・頭半棘筋のトリガーポイント

肩こり、肩の痛み、肩甲間部痛、コリ

肩甲挙筋のトリガーポイント


上腕の痛み、腕を上げると痛む、ボールを投げると痛む

肩甲骨(棘上筋、棘下筋)のトリガーポイント


息苦しさ、息切れ

前鋸筋のトリガーポイント

胸焼け、お腹の張り感


外腹斜筋のトリガーポイント

背中の痛み、寝返り時の痛み

腹直筋のトリガーポイント

ふくらはぎの痛み



腓腹筋、ヒラメ筋のトリガーポイント


イラスト図出典:『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual 』より引用