『世の苦しみを治す御手』






『栄光』百六十四号 昭和二十七年七月九日

 御対談中終始和気藹々として、時折放たれる洒落にドッと笑う。
特に面白いと思ったのは、ロジ・カルティユ夫人が
メシヤ様に「『世の苦しみを治す手』という題で出し度いから御手を写真とらせて戴き度い」と咄嗟に申し出た時である。全く奇抜な題ではあるとその機智に感心した。
之に対してメシヤ様は「あゝ、いいよ」と心易く横向いて手を翳されるとピカッとフラッシュが光る。
まことに何のこだわりもなき流水の如き瞬間であった。


『栄光』百六十四号 昭和二十七年七月九日

   メシヤ様 フランスのパリ・マッチ誌主筆 レモン・カルティユ氏夫妻と御対談

 昭和二十七年六月二十二日 此日御引見の間に用意された神山荘(神仙郷内)の応接間は恰も箱根大渓谷の樹海に乗り出した船橋の如き雄大な感じのする御部屋であった。
 午後二時、フランスで一番大きいパリ・マッチ誌の主筆レモン・カルティユ氏夫妻、通訳の労を執られた外務省情報文化局々員、田付たつ子女史(信者)外随員一名、阿部執事、木原常任理事、長村長生中教会長、末席の記者等二名、一同静粛裡にお待ち申し上げる事数分、メシヤ様には御簡素な羽織を召されて御出ましになり、御挨拶を終えて一同着座する。和やかな光を含んだ空気が漂う様な感じがする。以下御対談の模様を速記によって信徒の皆様にお伝えする次第であります。

   私の目的は地上天国の建設

カ氏「お忙しい処を態々御出下さいまして非常に恐縮で御座います。御会いして色々承って少しは自分達も良くなるだろうと希望を持って居ります。それで殊に悲しいのは直接にお話出来ない事です」
メシヤ様「そうです-何時か新聞にフランスの方で、日本美術を非常に研究しているという事が出てましたが、此方は…」
田付女史「此方はフランスで一番大きな雑誌の主筆で東南アジアとか-世界中を廻って戦後の視察をして参り、日本を最後に終えて帰られる事になっています。美術という事では非常に興味を持って居られます」
カ氏「国際情勢とか何ういう国で何ういう事が起ったかという事を目で見てそれを紹介したい。殊に日本は変っているので-特に印度で『日本は宗教的に変った』という事を聞いて居ります」
メシヤ様「私の目的を一応お話しし度いと思います。私は天然の美と人工の美をタイアップさせた。一つの理想的な芸術品を造る目的でやっているんです、美術ばかりでなく-美術は人工の美です。人間がやるものですね。あとは天然の美ですね。で箱根で一番景色の良い中央に、見られる通りの庭園を造ったんです。之が小規模な地上天国です。地上天国とは芸術郷-そういったものです」
カ氏「美術館は未だ拝見しませんが、自然の美という事に於ては、私は此様な美しいものを見た事がありません」
メシヤ様「つまり、私は宗教家ですが、今迄の難行苦行や、苦しみに依って救うのでなくて、反対に楽しみに依って救おうという、そういう意味に於て宗教に芸術は最も必要だという考え方です」

   メシヤ教はどうして発展したか

カ氏「兎に角、一つの御教えを弘めて居らっしゃって、それに就いて随分信者さんも多い様ですが、御自分の御考え通りに御教えが弘がって行くでしょうか。未だ思召している様に早くは-」
メシヤ様「いや、思ったより以上に発展しています」
カ氏「日本国中丈でしょうか。それとも、又日本外にも-」
メシヤ様「私の狙い処は世界なんです。それで、近頃段々アメリカからハワイなんかに弘がっているが-ハワイは未だ日本人丈ですが私の狙う処は世界の各国の人ですね。世界でも、兎に角文化の高い国から先に解らせ様と思う。そうすと、文化の低い国は自然に解りますからね。アメリカとかフランスとかイギリスとかそういう文化の高い処に之から宣伝に著手する訳です」
カ氏「その希望をお達しになる迄に、何ういう方法を今お取りになりますので-」
メシヤ様「今、一番私の発展した動機は-何しろ発展の早いのは、宗教史上例がないでしょう。というのは二十二年八月から、ですから、三、四、五、六、七と、今年の八月で始めてから五年です。五年で三十万以上の信者があります。それで日に月にどんどん発展して行きます。何んだというと病気が治る事です」
カ氏「アメリカにも病気を癒す事が出来るお弟子さんがお有りになりますので-」
メシヤ様「あります」
カ氏「アメリカ人で-」
メシヤ様「アメリカ人にもあります」
カ氏「やっぱり、そのアメリカ人はこちらで治して戴いて-」
メシヤ様「そうです」
カ氏「病気を癒すという事は、神様があなたに授けて下さった御力で-それとも-」
メシヤ様「神様です。神様が居て病気を治される。仮りに頭が痛いという処を私が斯う御浄霊)やると治っちゃう」
カ氏「みんなお弟子さんにも……」
メシヤ様「ですから、弟子に御守をあげます。御守を首にかけますと私の身体から御守に、霊線-光の繋がり-それは目に見えないが其人の身体から一種の光が出て、それで病気が治る。光を見る人は沢山あります」
カ氏「其御守様を拝見する事が出来るでしょうか」
メシヤ様「見せてあげます」(阿部執事がお守様を開いてお見せになる)
カ氏「癒す御力というものがお有りになると同時に例えば頭を痛くする事もお出来になりますので」
メシヤ様「出来ません。之は何処迄も善ですから-痛めるのは悪です。苦痛ですからね。但し、痛みを取る為に一時痛む場合もあります。それは浄化作用です」
カ氏「何ういう修行を致しましたら御守を戴いて人を治せる様に-」
メシヤ様「修行は要らないです。只、三日とか五日-教修という、話を聞く丈で御守をかけたら治るんです」
カ氏「神様のお告げという事に確信を持たなければならないので-」
メシヤ様「持たなくても良いです。最初から疑っても良いです。疑り抜いても良いんです。最初から疑わないという事は、己を偽るんです。何んにも信じられないものを、信じろというのは自己欺瞞ですからね。自力はないんです。神様の御力を与えられるんです」
カ氏「それでは、あなたが之ならば大丈夫、斯ういう事が出来ると御判断なされば御守をいただけるので-」
メシヤ様「全然そんな事はないです」
カ氏「お告げを何ういう形でお受けになられたのでしょうか-」
メシヤ様「お告げなんて面倒な事は要らないです。神様が何かやろうという事は直接私に分りますからね」
カ氏「形もなしで-」
メシヤ様「私が感じますね、それは病気の事ですか」
カ氏「いいえ、神様がおうつりになったという、それが何ういう形で-」
メシヤ様「一番最初は神様が私に憑ったんです。神憑りというんですね。その内に、私の此処(御腹)に神様が入って居るんです。日本語で言うと神人合一というものですね。神と人と一致して了うんです」

   世界を天国に

カ氏「今居られます時は宜敷いですが、若しも後にお出にならなくなりましたら、跡は-」
メシヤ様「私が居なくなれば必要がないんです。というのは、私が生きて居る内に、世界をその必要がない位にしますからね」
カ氏「斯ういう事で御座いましょうか。キリスト教ならキリストが亡くなって、つまり教会はずっとのこっていますが、そうでなく在生中に全部なさって後はそれを司って行く教会とか教えは必要がないので-」
メシヤ様「必要ないです。それは何ういう訳かというと、私は世界中の病人を無くするんです。世界から病気を無くするんです。病気を無くするという事は、病気が無くなれば悪人がなくなるんです。悪人というのはみんな病人なんです。悪人が無くなるから宗教の必要がなくなるんです」
カ氏「だから、御在世中に世の中から病気を無くするというので-」
メシヤ様「そうです。というのは、病気は原因があるんです。それが今迄は人類は、病気の原因というものを間違っていた。ですから私が、その原因を明かしますからね。私はそこで今本を書いてますが、之を世界中に配ります」
カ氏「病気というものが無くなります-という事になりますと、死というものが非常に遠いものになって了いますので-」
メシヤ様「そうです。人間はみんな百歳以上生きるんです」

   弟子でさえキリストの奇蹟を再現

カ氏「キリストとかマホメットとか釈迦だとかああいう様な方々はやっぱり一種の神の使命を受けて此世に現れたので-」
メシヤ様「勿論そうですがああいう人達は神様から与えられた力が少ないんです。弱かった。ですから私の弟子でキリスト位の奇蹟を表わすのは沢山あります。ですから私のメシヤ教は宗教じゃないんです。宗教では人類を救えないんです。只、宗教は私が出る迄人類が救われる程度のつなぎであったんです」
カ氏「バイブルなんかにキリストが、死んで三日目に蘇生させたとあり、信者は固く之を信じてますがカトリック信者にそう言わせる様にするには、やっぱり信者の人を蘇生させる様な事を目に見せてやらないと信じないですが、そういう様な事が出来るので-」
メシヤ様「私の弟子で立派に出来ます。弟子で、一旦死んだ人が生き返る様な事をやってます。ですから、あなた方でも私の弟子になれば、キリスト位の事は出来ますよ」
カ氏「言換えてみれば、兎に角死亡した者を再び生返す御力がお有りになるという事で-」
メシヤ様「そうです」
カ氏「お弟子さんでも-」
メシヤ様「出来ます」
カ氏「キリストの様に、食物が無くなると食物を与えるとか、土地をもっと豊富にするという御力は-」
メシヤ様「出来ます。そういう事は沢山あります」

   カトリック信者にキリストの霊が働きかける

カ氏「私としては是非全世界に弘まる事を非常に希望しますが-」
メシヤ様「無論そうなります。それからカトリック信者が今にメシヤ教信者になります。それは誰がそうするかというと、キリストがそうするんです。キリストの霊がみんなをメシヤ教の信者になる様にするんです」
カ氏「カトリック信者が必ずそういう風になるという事は、何か-お告げか何かで御存知なので-」
メシヤ様「そうではない。私が何もそんなに働きかけなくても、先方で何うしても私に働きかけなければならない様にキリストが霊界から働きますからね。キリストでも釈迦でも、今迄私の生まれるのを待って居たんです。キリストも釈迦も予言者です。キリストは天国は近づけりと予言されたが、自分で天国を造るとは言わなかった。釈迦もミロクの世が来るとは言ったが自分が実現させるとは言わなかった」
カ氏「基督教信者は自分の神様以上のものはないと信仰して居りますが-」
メシヤ様「そんな事はありませんよ。天の父があります。天の父が私の行る事です」

   メシヤの降臨について

カ氏「キリストはメシヤであると-」
メシヤ様「メシヤではないです」
カ氏「という事になっておりますが、カトリック信者が何ういう風に入って来るのでしょうか。二度目のメシヤ-。ユダヤなんかは未だメシヤが来てないと思って居るのですが降臨という事について-」
メシヤ様「それは私が精しくお話する事が出来ないです。私がメシヤの降臨とかキリストとすると、ワーッと来て仕事が出来ないです。今色々仕事があるし、書くのも沢山ある。私のバイブルですね。それが出来る迄は公然と言わないんです。だから、ぼかしてあります。そういう意味ですからね」
カ氏「恐入りますが、出来れば御手の写真を撮りたいと思いますが-」
メシヤ様「良いですよ」(メシヤ様がお手をかざしになるのを正面より写す)
カ氏夫人「世の苦しみを治す手、という題で出します」
カ氏「何時バイブルがお出来になりますので-」
メシヤ様「そうですね。来年あたり出来ますがね。それは『文明の創造』という本です。」
カ氏「出来ましたら、私達の方に成可く早く送って戴きたいと思います」
メシヤ様「それから今迄の出版物が色々ありますが、それをみんなあげます。その中には私の弟子でキリストと同じ様な事をした人の手記とか色々出てますからそれをお読みなさい」
カ氏「英語で-」
メシヤ様「いや、日本語です」
カ氏「非常に感謝して居ります。心から御礼を申し上げます」
メシヤ様「美術館を御覧になりますか。
それから、之を言って置こう。
此処に造ったのは、世界に天国を造る其世界の天国の極く小さい模型なんです。そういう意味ですからね」




※原文の表記「明主様」を「メシヤ様」としております。